こんにちは、広島市の四技能型英語塾、スクール今西英語学院の今西一太です。先日、大阪で開催された駿台教育研究所主催、竹岡広信先生の英作文指導セミナーに参加してきました。
(竹岡先生についてはたくさんやったって伸びないの記事などをご参照ください)
セミナーの内容は英作文(和文英訳、自由英作文)に関してで、これまで考えてこなかったような指導の観点や、英文法に関する知識を学ぶことができ、とても有意義でした。早速、各先生方に授業に役立ててもらえるよう、研修資料を作成しました。
英作文の指導法も役に立ちましたが、とても印象に残ったのは、竹岡先生が抱いている危機感を共有して下さったことでした。曰く、
ということです。
関西を代表するトップ校の生徒で、以下のようなミスが珍しくもなんともないそうです。
トップ校でこういうミスが頻発するのは、10年ほど前までは絶対にありえない事だったそうです。
そして最近の特徴として、一度指摘をしてもなかなかミスが修正されない、ということを挙げられていました。
竹岡先生も仰っていましたが、この原因は明らかです。つまり
ということです。
最近の英語教育の流れで、中学校では「英語で意見を伝えることが大事」という考えの下、文法が間違っていてもいいからどんどん英語で話す、という教育が取り入れられています。
そこで定着してしまったミスが、高校3年生になるまで修正されずに来ているのです。
確かに相手に意見を伝えることは重要ですが、文法的な正確性を無視してよいわけがありません。
良いかどうかは置いておいて、
という捉え方をされるのが一般的です。
もちろん、単ある友達づきあい程度ならブロークン英語で構いません。
しかし、研究・ビジネスなどシビアな結果が要求される場面では、文法の正確さと言うのは、その人に対する信頼性にもつながる非常に大事な要素です。
「英語があやしい」という理由で発表や論文をまともに相手にしてもらえない例は、私の知っている範囲でもよく聞きます。(繰り返しになりますが、これが良い事かどうかは別問題として、実際にこういう扱いを受ける可能性がある、ということです)
外国語学習の王道・常識は
という順番です。
小学生以下の子供は別ですが、中学生以上の大人はこのステップを踏まないとほぼ間違いなくどこかで問題が生じます。子供は文法なんて勉強しなくても出来るようになるじゃないか、と言って文法軽視で学習した大人で、最終的に高い能力に達した人はほぼ聞いたことがありません。
(常識的に考えても、大人と子供では頭の柔らかさが全然違いますよね)
だから常々私は
と考え、スクールでもそういうカリキュラムを組んでいます。
上のような「文法が崩れている」英語力を持つ生徒を生み出してしまう日本の一部の学校(広島にも一部あります)では、
する場合がとても多くあります。これは申し訳ないですが、
と言っていいでしょう。
実際、このような「王道に反する」カリキュラムを採用していたのに、(おそらく上手く行かないことが判明したために)変更して元のカリキュラムに戻した学校を私は1つ知っています。
日本の外国語教育を何とかいい方向に持っていくために少しでも力を尽くしたいと改めて思った次第です。