こんにちは、広島の英語塾、スクール今西英語学院の今西一太です。今回は単語帳との付き合い方について書こうと思います。
という質問を受けることがたまにあります。
もちろんその生徒の好み、状況などに寄りますが、私はよく以下のようにアドバイスします。(このアドバイスはTOEIC満点の講師とも同意見でした)
結論から言うと
です(笑)
とアドバイスします。
ただし、単語帳の存在そのものを否定するわけではありません。効果が出る場合もありますので、後半で詳述します。
単語帳には幾つかの問題点があります。
「単語帳を読んでたら夢中になって気づいたら2時間たっていた」という方には、ぜひ単語帳をお勧めしますが、私の知る限りではほとんどの人は苦痛を感じながら単語帳をつかっているようです。苦痛を感じながらの勉強は記憶力が下がり、効率が悪くなります。
単語帳での記憶は、文脈なしでの単純記憶になることがほとんどです。単純記憶のピークの年齢は12歳頃と言われており、それ以降は何か文脈の中などで記憶しないとなかなか記憶には残りません。長文を繰り返し読みながら文脈の中で理解する方が覚えやすいです。
単語帳で覚えた単語の特徴は、日本語と英語が一対一で対応していることです。そうすると、例えば以下のようなことが起こる可能性があります。
特に単語帳をフル活用している受験生を教えるとこういう例には事欠きません。上記、カッコ内で書いた「ニュアンス」を覚えるには、どうしても文脈や例文が必要になってきます。そういう面から言っても長文から単語を覚えていく方がお勧めです。
和訳をしながら理解すると理解スピードが大幅にさがり、大学受験や資格試験で必要とされる大量の英文を素早く処理する能力が養えません。
特に大学受験生は、もしすべての文を訳しながら読んだり聞いたりしているなら、その癖は一刻も早く改めないと、必ずいつか壁にぶち当たります。
さて、上記の問題点を避けるため、単語帳よりも
勉強をお勧めします。数日以上の期間を空けて、できれば5回以上は繰り返し同じ長文を読み、その中で分からない単語は全て調べて覚えていく、という作戦をお勧めします。
と、ここまで単語帳を批判してきましたが、単語帳が効果を発揮する場合もあります。以下に当てはまる場合は単語帳の利用を強く勧めます。
ゼロから覚えるのではなく、何となくの知識を整理する時には単語帳は非常に役に立ちます。
という感じのイメージです。
長文が載っており、その長文に出て来る単語をリスト化する形で単語帳にしている単語帳もあります。こちらは単語のリストというより、長文をメインに活用する形で利用をすれば、すぐ上の「(1) 単語の意味の整理」と併用しながら単語を覚えていくことが出来ますので、お勧めです。例えば
などのシリーズです。
さて、ここまで単語帳について批判的なことも多く書いてきましたが、もちろん、人によって向き不向きはありますので、単語帳を使っての勉強が性に合っている人もいると思います。その場合は、ぜひ
の記事を参考にしてみてください。
自分に合った勉強法を見つけて成果を出してくださることを願っています。
しかし、多くの学校が単語帳を使って「毎週50個単語を覚える」という課題を出しているのは本当に不思議です。その時間を使って洋書を読めばどれだけ英語力が上がるかと思うと残念な気持ちでいっぱいになるのですが…。「英語が出来ない日本人」を量産している一つの原因は、単語帳の過剰な利用にあると個人的には思っています。あまり大きな声では言えないので小さめのフォントです(笑)