トップ  > Kazu's BLOG  > 【英語】TOEFL Junior Comprehensive 受験の感想

【英語】TOEFL Junior Comprehensive 受験の感想

【2016年末をもってTOEFL Junior Comprehensive のテストは終了となりました。詳しくは公式サイトのTOEFL Junior® Comprehensiveテスト・TOEFL Primary® スピーキングテスト販売終了のお知らせ」をご覧ください】

こんにちは、広島の四技能型英語塾、スクール今西の今西一太です。

2015年11月1日に広島会場で TOEFL Junior Comprehensive を受けてきました。備忘録の意味も込めてここに感想を書いておこうと思います。受験を考えていらっしゃる方は参考にしてください。

1. テストについて

TOEFL Junior Comprehensive というのは TOEFL の中高生版とでも言うべきテストです。TOEFL iBT は大学レベルの専門的な内容を扱うため、どうしても中高生には難しく、そのために中高生に向けて TOEFL iBT への橋渡しになるように作られたのがこのテストです。

北米の高校に留学する際に点数が利用できるほか、日本国内でも多数の大学でスコアを利用して入試を受けることが出来ます(筑波大学、立教大学、関西学院大学など)。詳しくはこちらの GC and T 公式サイト・テスト紹介のページをご覧ください。
 

2. 試験開始まで

試験は午後1時スタート。TOEFL iBT (広島会場)と違って午後から始まるので、朝に弱い私には非常に助かります。

さて、試験会場に到着して驚きました。私を含めて受験者はたったの2名です。TOEFL iBT の時は少なくとも10数名いたのですが…。もう一人の受験者は小学生のようでした。さすがに広島のような地方都市では Junior は知名度がまだ低いようです。まだまだこれからのテストですね。

次の驚いたのが、TOEFL iBT と違って最初の手続きが非常に楽だということです。iBT の時はまず宣誓書みたいな文書を書き写してサインして、写真を撮って、などの非常に面倒くさい手続きがあるのですが、Junior では身分証明書の確認ぐらいですぐに終わります。
 

3. 各セクション

試験の構成は iBT と同じ。(例題が公式サイトにあるのでご覧ください)
 

4. リーディング

英検3級を彷彿させるようなタイムテーブルを読んで答える問題や、iBT にはない物語タイプの文章があって、これなら確かに高校生ぐらいでも解けそう、という印象を受けました。学術的な内容も大学受験レベルの英語が分かれば理解できそうです。
 

5. リスニング

いきなりで面喰ったのが、30秒程度の短いリスニングが10個以上連続で続いたことです(内容はクラスで先生が色々な指示を出している体裁)。次々新しいことが出てくるので少し疲れます。

その後は子供同士の会話の聴き取り。かなり早口・口語的でアメリカ訛りが非常に強く、これは日本の普通の高校生にはかなりきついだろうな、という印象です。

次は学術的な内容。こちらは iBT の問題を非常に優しくしたような内容でした。普通の日本の高校生にはスピードや内容の点でちょっときついレベルですが、iBT への橋渡しと言う意味ではちょうど良いレベルと感じました。
 

6. システム障害

休憩をはさんでスピーキングセクションに入りますが、ここでトラブル発生。自分の声を録音してそれをPCが流し、マイクの動作確認をするというマイクチェックの部分で、何度やっても自分の声が聞こえてきません。

テストのすぐ後に仕事の予定を入れていたので非常にピリピリします。結局40分ほど待たされて、ギリギリの時間でスタートしました。というわけで後半はちょっと集中力不足。今回は内容を知るための受験だったので良いですが、もしスコアを得るための受験だったら本気で怒っていたと思います。

私はiBT含めて4回受験経験がありますが、そのうち2回でこういうトラブルを経験しています。ちょっとこれは何とかしてほしい。
 

7. スピーキング

スピーキングで特徴的なのは音読の課題があることです。今回の内容は理科の教科書に載っていそう文章を声に出して読むだけの課題でした。

次に、6枚の絵を見て、そこで起きていることを物語にして話す、という課題です。これが慣れていないので意外と難しい。普段から似たような課題で練習しておいた方がよさそうです。

次はクラスの中での指示を英語で聞き、クラスを欠席した生徒にその内容を伝える、という体裁の課題です。伝える内容自体は非常に簡単でしたので、日常会話が出来れば行けそうです。

そして最後は社会の授業を聞き、同じくその内容を口頭でまとめて言う課題でした。

スピーキングはiBTよりはるかに簡単ですが、やはり日本の英語教育を受けてきた学生への一番の関門になりそうです。
 

8. ライティング

最後はライティング。始めは、文章の中にある文法ミスを直す課題です。これは恐らく普通の高校生レベルでも比較的楽に解ける問題でした。

次にメールを読んでその内容に返信をする課題。これは自分の意見が問われます。内容自体は簡単ですが、時間が7分しかなく、非常に焦ります。

その次はある質問に関して自分の意見を書く課題です。こちらも時間が10分しかなく、問われている内容も結構高度なことだったのでとても焦りました。私で焦るので、高校生ならパニックになる人もいるかもしれません。

一番最後は学校の授業を聞いて、その内容を文章でまとめる課題です。こちらはiBTよりかなり簡単な内容だったので、時間の余裕を持って終えることが出来ました。
 

9. 総評

・リーディング全体とライティングの文法課題は日本で一般的な英語教育を受けている高校生でも太刀打ちできそう。

・ライティングはとにかくスピードが大事。自分の意見をすぐにまとめて具体例を思いつくことに慣れ、タイピングの速度を上げる必要がある。

・スピーキングはiBTに比べると非常に簡単だが、普通の高校生レベルではかなりトレーニングを積まないと全く歯が立たない。普段から英語で周りの状況を描写するなどのトレーニングを積む必要がある。

・リスニングはアメリカ英語がメインだが、一部イギリス英語も混ざる。iBTでは基本的にアメリカ英語しか出てこないので、この点で iBT と Junior は違う。Junior では子供が口語的に喋っているのを聞き取る必要があるので、ある意味 iBT より難易度が高いかもしれない。

・色々と言ってきたが、総じてバランスの取れた良いテストだと思った。このテストに向けて鍛えて行けばバランスの取れた英語力が身に付きそう。

・年に複数回開催、広島会場があり(会場は47都道府県にあるらしい)、受験料が1万円以下というのもよい。これからは英検2級を取ったスクール今西の生徒には TOEFL Junior Comprehensive の受験を勧めようと思う。

 

 

at 2015/11/01 22:04:05