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大学受験と、それを取り巻く高校、大学の教育がどのように変わっていくのか、英語の四技能化はどのぐらい進み、それをどうやって教えればいいのか、と言った内容のセミナーでした。
大阪のセミナーでは、立教大学の入試担当者の方から「受験英語の四技能化は進む」という話を聞かせていただきました。
それによると、TOEFL iBT, IELTS, TOEIC (S/W), TEAP, 英検準1級以上など、読む、書く、聴く、話すの四技能を測る試験を大学入試に導入する動きが広がっています。
立教大学、上智大学、立命館大学など多くの有名私立大が少なくとも10年後には外部試験を受験して入学する学生の比率を50%以上にする予定としています。
また、筑波大学や広島大学、金沢大学などの国立総合大学でも、10年後を目途に全員が外部試験を受験することを目標に掲げているということです。
導入される外部試験はほとんどが四技能型になる見込みです。
つまり、これらの大学に入りたかったら四技能試験で良い点を取らないといけない、つまり読解だけでなく英会話も上手にできないと大学に合格するのが難しくなる、と考えてもよいと思います。
一方、京都大学、東北大学、北海道大学のようないわゆる旧帝国大学ではこの動きはそれほど広まっていません。(いずれも10年後で10%以下の予定)
だからと言って安心はできません。
2020年から始まる新テスト、センター試験廃止後のテストでは、英語は四技能を測るものになる可能性が高いと文科省の担当者の方が話していました。
つまり、2015年時点の中学2年生以上に関して言えば現役で大学に入るなら英会話が出来なくても選択肢が多少狭まるだけで済む、と言えそうです。(外部試験を採用する大学を避ければよい)
2015年時点の中学1年生以下になると、確定ではありませんが、英会話が出来ない生徒は大学受験でかなり不利になってくる可能性があります。外部試験を利用しない一部の私立大学ぐらいしか英会話抜きの試験がなくなるかもしれません。
また、外部試験の利用方法としては、特定の点数を取ると受験資格を得られるという、「受験資格型」の利用が主流になるだろう、とのことでした。
つまり、あるテストで「○○点以上」を取っていないと、出願自体が不可能、という仕組みです。
例えば立教大学の「グローバル方式」では、TOEFL iBT 42点、IELTS 4.0 などのレベルの点数を取得しないと出願自体が出来ません。これは英検2級に合格できて、英会話もある程度流暢にできる、といったレベルだと思います。
その条件をクリアしていると受験科目は二科目だけで構いません。(文系は社会と国語、理系は理科と数学のみ)
読解、英作文も学べて、英会話の教育が充実している学校は今の所大変少ないので、現在小学生のお子さんをお持ちの方は英語をどのように教えていくかを考えた方が良いかもしれませんね。
高校の先生も、文法を解説したり、和訳する授業はもう限りなくゼロにして、英語長文を英語を使って読んで行くなどの英語を使った活動を行う授業をメインにしていく必要が出てくると思います。(文法学習はもちろん重要ですが、自律学習など各自のペースでやらせた方がはるかに効率がよいと思います)
大学受験がこうなってくると、「高校では英語の授業は基本的に英語で」という文科省の方針も、あながちトンデモでもなくなってくると思います。
高校3年生に対して週5でネイティブスピーカーやニア・ネイティブが教える時代が近づいているかもしませんね。