【英語】僕が英語塾を始めたもう一つの理由
昨日の話となりますが、大学院で同じ研究室だった渋下さんという方とお好み焼きを食べに行きました。
渋下さんはグアテマラのマヤ系の言語ケクチ語を話す話者の識字や言語に関する研究をしている方です。広島でグアテマラ出身の店主がお好み焼きを焼く店があるというのを聞いて誘ってくれました。
お店の名前は「ロペズ」。横川にある超人気店です。こちらで詳細をご覧になれます。
早めに行ったのですぐ席に付けましたが、後からどんどん人がやって来てかなりの順番待ちになっていました。さすが人気店!
もちろんヘラで食べます。
途中店主の方と渋下さんがスペイン語で話しているのはほとんどわかりませんでしたが(^^;)有意義な出会いだったようでよかったです。
ちなみに渋下さんはグアテマラ・ケクチに関するブログを運営していらっしゃいます。民芸品の布の販売なども行っているそうなので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。
グアテマラ・ケクチの世界と私
2012年に地球が滅びるなんてマヤ歴から取ってきた言説が流行っていたころに「あれは意味が違う」と私に教えてくれた御恩のある方です(笑)
さて、お好み焼き屋は大混雑だったので食べたらさっさと出て、場所をカフェに移して落ち着いて話をしました。
ケクチ語話者(数十万人はいるそうです)の教育事情についても色々お聞きしました。
それによると、まず紙・ペンなどの文房具が圧倒的に不足しているそうです。
また、本をあまり大切にしない文化らしく、図書館では砂にまみれた本がうずたかく積まれている状態で、寄付しようと思って持っていった本を寄付するのもやめてしまったぐらいだそうです。
学校はちゃんとあるのですが、小学校を出ても親が経済的事情で中学校までなかなか進ませてくれないらしく、10代前半からコーヒー園でのきつい労働に参加せざるを得ない状況とのことです。
外の世界を知る機会もきっかけもなく、一生ひたすらきつい労働に従事しなければならない状態です。
渋下さんはこの現状を何とかする為に、研究活動と並行して、現地の人が織った布の販売などを小規模ながら始めていらっしゃいます。教育を充実させるには、まず産業の育成をして、親世代が子供の教育に投資できる経済状態になるように持っていく必要があるからです。
興味のある方はぜひブログから問い合わせてみてください。
教育にかかわるものとしてこの現状には非常に心を痛めました。
何とか現地の教育の向上のために出来ることはないかと考えています。
私は今、自分の言語学の研究活動の比率をかなり抑えて英語塾の運営に当たっています。(一応今でも大学院生です)
これには、普段から言っているように、日本の語学教育を充実させたいという理由ももちろんあります。生活のためにやっているという側面ももちろんあります。
しかし、もう一つの大きな理由として、お金にならないけど社会に貢献できるような活動に投資をしたいと思う気持ちもあったからです。
研究活動を主にやっていた当初、もちろんお金をもらわないと研究活動はやっていけません。
研究職にある人たちの発想として、研究のためのお金を得るというと、まず科研費など税金から降りてくるものが中心です。分野によって例外はあるかもしれませんが、特にいわゆる文系の分野ではその傾向が強いと思います。(理系に関しては詳しくないので差し控えます)
かくいう私も、日本学術振興会特別研究員という肩書で、税金から出た研究活動資金を利用させていただいていました。先輩の中には一般企業からの援助を得て調査を行った人もいます。
しかし、常に誰かが一生懸命稼いでくれた余禄を用いて活動させていただくだけでいいのか、もらうだけじゃなくて、こちらから誰かに貢献できるような投資・援助はできないものか、ということはいつも思っていました。
(実はホリエモンこと堀江貴文氏も同様のことを言っています。考古学者は自分の発掘したものを展示でもして自分の研究費ぐらい自分で稼げ、公の金ばっかり当てにするな、と)
もちろん援助をしてもらって行う研究活動も立派ですが、自分が行う活動をそれだけに絞りたくありませんでした。
School Imanishi は今は小規模な教室で、お金にならないような活動に資金援助をしたりするようなことは不可能です。
しかし、将来、社会貢献の一環として様々な活動、特に、教育・言語・文化に関する活動に対する投資を行って行きたいという思いは常に持っています。
特に、今まで自分がかかわってきた滅びゆく言語・文化の記録に関する活動や、上に述べた教育の充実に関する活動などに関わっていけたらと思っています。
まだまだ先の話ですが、理念を忘れて単なる金儲けに走らないため、こういったことは常に心に刻みながら最高の教育機関を目指して頑張っていきたいと思います!
at 2013/08/17 23:04:00