トップ  > Kazu's BLOG  > 【英語】「〇〇試験専用の英語」なんて存在しない

【英語】「〇〇試験専用の英語」なんて存在しない

こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。今回は「試験対策」について書いてみようと思います。

 

1.文法・長文・リスニングは別々のモノではない

少し前にX(当時の Twitter)で、英語学習について以下のような内容が話題になりました。

学生は「文法」「長文」「リスニング」などの内容を個別のモノだと思って、文法を勉強するためには文法専用の勉強をしないといけない、長文用には長文専用の勉強がある、と思っている人が多い。

しかし、実際に英語を習得したり指導したりしている側からするとそんなことはない。すべての能力は一体であって、それを総合的に学習していくイメージである。

これを聞いて私も深く納得したのですが、最近はちょっと別の方向性で似たような経験をすることがたまにあります。

 

2.〇〇試験専用の英語なんてない

それは、

「〇〇の試験で結果を出すために必要なのは、〇〇の試験専用の英語の対策をすることだ」

と思っている方が一部いらっしゃるということです。その方のイメージはちょっと極端に言うとこんな感じかもしれません。

しかし、実際にこれらの試験で高得点が取得出来て、かつ長年指導している経験を持つ私の感覚は全く違います。図式的に描くなら、以下のような感じです。

つまり、

・どんな試験であろうと、語学力があれば高得点が取れる
・個々の試験に対応するための対策の占める重要性は小さい
・語学力を上げようとするのではなく試験対策ばかり意識するのは本末転倒

ということです。

これまでいろいろな試験で高い成果を出してきている人を本当に大勢見てきましたが、結果を出している人は例外なくすべて「英語の語学力の高い人」ばかりです。

「〇〇の試験対策を追求したから〇〇の試験でうまくいった。でも××の試験は対策していないからあまりうまくいかない」みたいな例はほぼありません

唯一と言っていい例外は、明確に範囲が決まっていて丸暗記できているかを試されるタイプの定期試験です。このタイプの試験だけは、総合的な語学力を上げるよりも、ひたすら指定範囲を丸暗記すれば高得点が取れる可能性が高くなります。よって、このタイプの試験を目指す人だけは全く別の指導方針を取る必要がありますし、このタイプの試験ができるからと言って他の一般的な試験で高得点が取れるとは限りません。

 

3.「試験対策」を追求するより大事な事

とても悲しいことなのですが、最近、語学力を上げることではなく「〇〇大学の英語対策」「〇〇テストのコツ」などにこだわる人が増えているような感覚を持っています。そんなことを追求したって出る成果は本当に限定的なものです

どんな試験であっても、英語の試験である以上は語学としての英語をしっかり上達させることが基盤となります。試験対策はあくまで「大まかな傾向をつかむ」「慣れるために解く」ぐらいにとどめておくので十分だと思います。

特に、大学の二次試験は傾向が変わることもよくあります。過去問をひたすらやって「この問題はこういう風に解くようにしよう、この順番で解けばうまくいく」とガチガチに決めて受験をしたことで、新タイプの問題や傾向の変化に適応できずボロボロになったという例はよくあります

受験英語の指導で非常に有名な竹岡広信先生も、共通テストで9割とるために一番大事なことは

「問題集をひたすら解くことではなく、多読・多聴すること(洋書をたくさん読んで、英語をたくさん聴くこと)である」

と述べています(以下の動画47:08ごろから)。

 

この記事を読んでいる人は、ぜひ

「〇〇試験の対策」を求めるのではなく、「語学としての英語力向上を目指し、その結果〇〇試験で結果を出す」という王道の英語学習

の方向性を目指していってほしいと心から願っています。

 

at 2024/01/26 11:00:50