こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。
今回の記事は講師のフミエ先生にご寄稿いただきました。先生ご自身の指導方法に関する内容です。ぜひご覧ください。
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スクール今西英語学院、講師のフミエと申します。
勉強することの大切さを説けば説くほどやる気を失い、反感を持たれることがあります。そういった場合、相手(生徒)のためを思って理論武装し、嫌われてでも勉強することの必要性を解き続けることは、果たして得策でしょうか?
答えは、NOです。彼らの心は遠く離れていき、余計にでも勉強が嫌いになることでしょう。これは、このスクール今西の目指すところではありません。
こういった場合、英語講師はどのような戦略をとるべきでしょうか?
私の受け持っている公立中学のQくんは、最初は、「ウザイよ!」「黙れや!」と口にこそ出さねど、その態度や表情から、勉強させようとする大人に対して激しい怒りを内蔵させていることが明らかでした。
そんな彼に対して、私はわざと明るい声を出し、勉強などさせようとは考えていないかのような態度をとりました。
少々遅刻しても、宿題をやって来なくても叱らない、怒らない。
その日に会えたことが、たった1行でも問題を解いて記入して来てくれたことが良い、素晴らしい、嬉しい!文法問題の答えが合うとすかさず、good!と叫ぶ、という猛烈な肯定を繰り返し様子をみました。
すると、彼の表情がだんだんと柔らかくなっていき、家でやってきた宿題を提出し、教室の中ではしっかりと正答を出すようになりました。
そして、個人面談で「将来の目標が何かある?」と聞いた時、「英語がペラペラに喋れるようになりたい」などと答えてくれるようになりました。
キーポイントは、明るい声を出す以外は、相手のテンションに合わせる。あるがままの彼を受け止めて褒めることでした。
「短所を直せ」、「ふざけてはいけない」、「がむしゃらに勉強しろ」、「何事も一心不乱に頑張り抜け」、これら昭和時代のまじめさ、融通のきかなさは、人間の少しだけでも成長しようとする機会を潰し、時として正論の暴力を引き起こすことがあります。
英語塾を楽しく学べる空間とし、最初はたった少し頑張っただけでも否定されず褒められる安心感と肯定感を持ってもらうこと。
これこそ勉強嫌いの子どもが変わるきっかけとなる大事なものではないでしょうか?
塵も積もれば山となる。毎週のこうした積み重ねが、未来ある子どもたちを変えて行くような気がしてなりません。