こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。
先日、機会があって「質問されたときにどう対応するのがよいか」という講師研修資料を作成し、共有しました。今回はその内容の一部をここで公開したいと思います。
「質問されたら答えればいい」というものではなく、いろいろ考えてやっているということをわかっていただけると嬉しいです。
質問されてまずやることはその質問に答えることではありません。
質問の内容にももちろんよりますが、質問されたら相手がどこまで理解できているのか、どこからどこまでを説明する必要があるのかを判断する必要があります。
そのために、相手に質問をしたり、簡単な例を出して理解できるか確認したり、複雑な文を分解して単純にしたりして、相手がどこまで理解できているのかを明確に把握します。
相手の理解度を明確に判断できたら、ようやくどうやって質問への回答をするか考えることができます。
さて、相手の理解度の詳細が分かったら、次は
ということを頭の中で行います。その際、
という順番で説明を展開するように意識します。
それでは、具体的な質問対応の例を見ていきましょう。
以下、推奨できない例と推奨される例を見ていきます。
→相手がどこまでわかっているかもわからないし、正しく理解できたかもわからないし、なぜingにする必要があるのか、また相手の既存の知識との関連性も全く考慮していない。-ingの意味を知らない可能性もあるし、下手したらwithout の意味すらよく分かっていない可能性すらある。ここで「わかった?」と聞いても「はい(よくわからないけどそういうもんか…)」というもやもやした中途半端な理解で終わってしまう可能性が高い。
まずは相手の既存の知識を確認し、それに積み重ねる形で解説する
(理解してもらうべきことは…go/goingの違いすなわち名詞と動詞と動名詞について、前置詞の後には名詞が来ることだな。○○さんは文法が少し不安だから、基本中の基本から確認しよう。もし○○さんだったらもうちょっと省略して簡単にやるけど)
「じゃあまず、without の後に『彼』を入れて『彼無しに』っていうときはなんていう?」→without him と正しく答えられるか確認。(without の基本的な使い方は大丈夫そうだな!)
「him は品詞で言うと動詞?名詞?形容詞?副詞?」→名詞と答えられるか確認(名詞が何なのかの理解は大丈夫っぽい!)もしここで「形容詞?」とか頓珍漢なことを言っていたら、まずは名詞、動詞、形容詞の違いの説明の必要があるため、そちらに移行。
「そうだね、withoutの後は名詞が来るね」(without の後には名詞、ということはわかってもらえた!)
「じゃあ、without go の go は名詞?」→違う、動詞、と返答を確認。(名詞と動詞の違いもわかってるな!)
ここで相手の前提知識が確認できたので、初めて
と解説。
「ここまで大丈夫?」と理解に問題ないかチェック。リアクションを注意深く見て、疑問点がすっきりした「はい」なのか、なんとなくの理解の「はい」なのかを見分ける。後者の場合は「本当に大丈夫?ついてこられなかった説明はない?名詞と動詞とか?」など、不明点がありそうなか所を予測して質問しながら解き明かしていく。
理解できたようだったら「じゃあ I'm not interested in go there. は正解?間違い?」→本当にわかっているのかを別の例で確認。withoutとinを「前置詞」という共通概念で把握できているかをチェック。わからなかったらこの例でもう一度説明し、また別の例を考えて再度チェック。
以上、質問対応の時に気を付けるべきことを1つ取り上げました。他にも気を付けるべきことはいくつかあり、それも講師には共有しているのですが、それはまたの機会に取り上げたいと思います。