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【英語】初級者に紙の辞書を勧める一番大きな理由

こんにちは、広島市の英語塾、スクール今西英語学院の今西一太です。
 
先日、事情があって通えなくなってしまった生徒の方の最後の授業があり、保護者様がご丁寧にお礼のお品物を持ってきてくださいました。本当にありがたいことです。
 
 
事情があって辞めてしまう方からもこのようなお礼のお品物をいただくことが多く、本当にいい生徒・保護者様に恵まれていて感謝しています。
 
さて、今回は辞書指導についてお書きします。中学生の保護者様に、以下のようなご質問をよくお受けします。
 
「辞書は紙の方がいいですが、それとも電子辞書の方がいいですか」
 
さて、どちらがよいのでしょうか。
 
 
 
 
1. 初級者は紙の辞書がよい
 
「紙の辞書がよいか、それとも電子辞書がよいか」という質問をお受けした時は、こうお答えするようにしています。
 
「英検で言うと3級~準2級ぐらいまでの初級者レベルまでは紙の辞書の方がお勧めです。ただ、どうしても電子辞書の方がよい場合は使い方に気を付ければ大丈夫です」
 
初級者に紙の辞書を勧める答える理由はいくつかありますが、一番大きな理由は
 
初級者が引く単語は基本的な単語が多く、基本的な単語にはたくさんの意味があるから
 
です。
 
例えば、take the bus の意味を調べるのに take という単語を引き、「手に取る」という一番最初に書いてある意味を見て、
 
よし、「take = 手に取る」だな
 
と思っている中学1年生がいたら、「ちょっと待て」と言いたくなりませんか。英語ができる方から見たら冗談のように思えるかもしれませんが、こういうことは頻発しています。(「バスを手に取るってどういう意味?」と質問されて、初めて「あれ?おかしいな」と気づきます)
 
take には
 
「手に取る、捕まえる、手に入れる、選んで取る、試験などを受ける、受け取る、持って行く、連れていく、仕事などを引き受ける、必要とする、チャンスを利用する、行動をする、薬を飲む、乗り物に乗る」
 
など、非常に多くの意味があります。
 
この意味全てを電子辞書を使って確認しようと思うと、ずーーーーっと下の方までスクロールしていく必要があり、それが非常に面倒くさくて、なかなか誰もやろうとしません。(私も上のtakeの意味をリストするためにやってみましたが、非常に面倒くさかったです)
 
このように、初級者が引く単語には多くの意味を持つ単語が多く、その多くの意味をざっと確認するのに適しているのは、どう考えても紙の辞書です。
 
電子辞書を使うとどうしても一番最初に書いてある意味を見てよく考えずに「よし、この単語はこの意味だな」とやってしまう癖がつきがちになり、非常によくありません。
 
2. 中級者以上は電子辞書がよい
 
逆に中級者以上、特に上級者になってくると、英語と日本語が1対1で対応するような単語を引く機会がどんどん増えていきます。
 
特に上級者は、例えば pesticide 「殺虫剤」 とか endoskeleton 「内骨格」 とか rectum「直腸」 のようなレベルの難単語のみ調べることが多くなります。こういう単語の場合、日本語と英語をイコールで結んでも全く問題ありません。
 
一対一対応で調べていいなら、電子辞書の方が素早く引くことができるので明らかに便利です。これが上級者には電子辞書をお勧めする理由です。
 
3. 初級者がどうしても電子辞書を使いたいときの注意点
 
以上、初級者は紙の辞書を使うべきで、レベルが上がるほど電子辞書を使うべき理由を述べてきました。個人的には変更時期の目安を大体英検3級~準2級ぐらいと考えており、生徒や保護者様にお伝えしています。
 
それでは、
 
初級者だけど持ち運びなどの点でどうしても電子辞書の方がよい
 
という場合はどうしたらいいのでしょうか。そういう方は、
 
「単語を調べたときはかならず一番下までスクロールして全ての意味を確認し、一番適している意味・和訳をよく考える癖をつける」
 
ということをお勧めしています。こうすれば電子辞書の欠点を克服できるからです。
 
初級者が紙の辞書を使うべき理由はほかにもありますが、今日はひとまず最重要の内容だけ書かせていただきました。辞書の選び方、使い方について参考になりましたら幸いです。
 
at 2019/11/29 10:29:17