こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。
今回はタイトルの通り、洋楽(英語の歌詞で歌っている音楽)を聴くことがリスニング練習にどのぐらい役に立つのかについて書いてみようと思います。
という質問は比較的頻繁にされることがあります。これについて、リスニング学習の原則から見てどのぐらい有効なのか、どのように活用すればよいのかについて書いてみようと思います。
さて、まずはリスニング学習の大原則を復習しておきましょう。それは、
もう少し詳しく具体的に言うと、
という感じです。つまり、きちんと理解しながらものすごく長い時間聴く、というのが一番重要になってくるわけですね。
もう少し詳しく知りたい方は、以下のリンク先をぜひご覧ください。
さて、以上の原則をもとに洋楽を聴くことがリスニングにどれぐらい役に立つのか考えてみましょう。
まず、「非常に簡単と思えるもの」あるいは「ほぼ理解できる音声」という部分ですが、これは歌詞をきちんと見て理解している状態であればクリアできると思います。
歌詞を見ずに歌の内容がなんとなくわかっているだけ、という状態で聞いているだけではそのポイントがクリアできていませんので、ほとんど役に立つことはないでしょう。
次に、「大量に聴く」という部分です。洋楽を聴くという勉強法ではこの部分がネックになってくると思います。
まず、英語のネイティブスピーカーが普通にしゃべると、1分間にしゃべっている単語数は大体200-250語ぐらいと言われます。
そして、例えばかなりたくさん歌っているイメージの The Carpenters の Top of the World の単語数を計算してみると
と、1分間に喋っている(歌っている)語数が普通に話すときの半分ぐらいしかなく、かなり少ないことがわかります。
さらに、ロック寄りでもう少し歌が少なめの、例えば Bon Jovi の It's My Life を計算してみると、
のように、普通にしゃべる語数の3分の1近い数になってしまいました。
つまり、歌うときというのはそもそもしゃべるときよりも単語数が圧倒的に少ない、すなわち歌を聴いていてもインプットできる量がかなり少ない、ということになります。
しかも、歌というのはたいていサビの部分に繰り返しがありますし、さらに一般的には同じ曲を繰り返し聞くことが多いでしょう。
つまり、洋楽だとただでさえ少ない分量の英語なのに、同じような語句ばかりずっと聞いていることになり、様々な語句を聴くという意味で大量の英語に触れることも難しいです。(大量のインプットをする意味は、慣れるというだけではなく、よく使う表現にいろいろ触れるという意味もあります)
以上のことからいえるのは、
ということになると思います。ここから私の個人的なお勧めは、
ということになります。
音楽好きの人は、洋楽を聴く勉強の利点と欠点をうまく理解したうえで、上手に活用していってみてくださいね。