こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。
先日(2021年2月)国公立大学の2次試験が実施されました。広島大学を受験した生徒が問題を持参してきてくれましたが、いくつか去年までと比べて傾向の変化がありました。興味深かったので簡単にまとめてみようと思います。
広島大学入試の英語は、第1問が長文を要約する問題になっています。この要約問題はずっと長い間
という課題でしたが、2021年は
という内容に変わっていました。段落ごとの内容を意識することが重要になっています。ただ、まとめる範囲が短くなりましたので、難易度としては少し下がったかもしれないという印象を持ちました。
第2問以降の長文問題についてです。2020年までは会話文の読解と穴埋めなどがありましたが、今年は会話文の問題はなくなっていました。その代わり
という、より実践的な問題に変更されていました。文章のレベルは結構高いな、という印象です。
「○○の内容を文章から探して抜き出しなさい」タイプの問題も多く、難易度が上がったという印象を持ちました。
最後に英作文の問題です。広島大学はグラフの描写課題を出すことで有名で、このグラフ描写については形式に変更はありませんでした。
一方、自分の意見を書くタイプの自由英作文は、単に意見を書くだけでなく関連する文章の読解も加わっていました。より総合的な能力が要求されるようになっている印象です。
以上の変化をまとめると、最近の英語教育の動向に沿った形での変化、つまり
ということを意識した課題に変化していることがよく分かりました。
広島大学は全国の国立大の中でも外部試験の活用を非常に熱心に進めている大学です(参考記事:広島大学で英語満点扱いにするにはTOEFLか英検か)。入試の英語に関する意識もそういった方向(四技能型、実用型)のタイプに傾斜している、という印象です。
同じ国立大学でも、例えば京都大学の今年の問題は全く違う傾向になっていたようで、非常に難解な学術的文章をじっくり和訳させる、という方向性に進んでいるようです。
大学の英語教育に関する思想によって入試のカラーも分かれてきているという、とても興味深い結果となっていました。